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彼氏物語

たかがパスタ、されどパスタ

레테210 2016. 11. 1. 01:04

 

私は、取り立ててパスタ好きというほどではないが、一応おいしいパスタなら好きである。(当たり前すぎか;;)

ところが彼は、「N(=私)はパスタなどあまり好きではない」と思っていたらしい。

彼とはギター教室先生の紹介で知り合った。

初対面の日は定番のイタリアン。

次はお寿司屋さん。

そのまた次はサムギョップサル&ピザ(2軒目のバルで)だった。

4回目以降のデートで食べたものについては、

ソルロンタン、スンデグッパ、ユッケジャン、蒸し蟹、韓定食、ウナギ焼き、アンコウ蒸、海鮮鍋、ムール貝鍋、焼きそば、チキン唐揚げ、

しゃぶしゃぶ、鴨鍋、タンタン麺、お弁当、豚肉のしょうが焼き、和食ビストロ、トルコフードなど (順不同)

本当に色々あったものの、主なメニューはやはり韓国料理だった。

特に雨の日など、

うちの近くのスンデグッパ屋、ヘジャングック屋のことを思いつき、

”今日は雨だし、あそこのスンデグッパ(あるいはヘジャングック)にしようよ。”

と、何気なく彼に言ったものだ。

まあ、ちょっぴりオヤジ風な食べ物というイメージはあるが、

私も彼も別にその手のもの(グッパ類)に違和感があるわけでもないし。

でもそれが彼には「Nはスンデグッパみたいなもの(韓食)が好き。パスタなど(洋食)はあまり好きでないみたい」という

一種の偏見(?)を植え付けてしまったようだ。

そして、これは私の偏見かも知れないが、

日常よく食べる、オヤジ風な韓国料理というと、

どこか少し素朴であまり洗練されてないような、

安くて手っ取り早い食べ物、というイメージがある。

それが悪いとかイヤだ、といっているわけではない。

変に気取ることなく、目の前の料理をパクパクを食べていくときの

素朴な幸せも、私は好きなのだ。

ただ、たまには少し奮発していつもと違う気分を楽しむのもアリ、と思う。

その点、パスタは今や豚カツに続いて国民的洋食No.1の座を獲得しようとしているようではあるが、

やはり一皿3万ウォンくらいの代物には、ごく普通の庶民、生活人として、普段はなかなか手が届かないもの。

だからか、実はカジュアルなパスタ屋もいっぱいあるのに、

なぜか男性諸君の頭の中には「パスタ=高価な食べ物」というイメージが未だ根強いのかも知れない。

一方で私は、「重要なのは適度なメリハリ」と言う一方で、

基本はやはり「現実派」、せせこましい「コスパ重視派」。

そういう意味で私は、馴染みの韓国料理に比べれば、確かにパスタなど洋食(!)は

あまり好きそうなイメージじゃないかも知れない。 ^^

 

ある日彼と話していると、

「えっ、パスタ好きかよ」

と聞かれ、ちょっと唖然とした。

「うん、好きよ」

「へぇ、そうなんだ」

「そんな、おいしければ好きに決まってるじゃない。なに?私はあまりパスタ好きじゃないと思ってたの?」

「うん!」(⇒こういうところで素直というか、バカ正直というか、あっさりと肯定してしまえる彼の脳みその単純さには、いつもながら感心している)

「どうして?あっ、もしかして、グッパとかよく食べてるから?」

「うん。だって、そうじゃん」

「そうね。。でもパスタも好きよ。特にオリーブオイルパスタなんか、メッチャおいしい店知ってるし。

ステーキだって値段そこそこで味も結構いけるとこ知ってる。今度行ってみる?ちょっと遠いけど」

「ああ、いいよ」

どっか反省しているような、それとも何かをばれてしまって気まずそうな、複雑で微妙な表情が、一瞬、彼の顔を掠める。

(実は、こういう時の男の人の慌てた様子に、意外とキュンときたりする。その姿を覗くこともこれまたなかなか楽しい)

別にそれに突っ込む気などなかったのでその話はそこで終わりにした。

 

そして数日後、仕事帰りに彼を食事に誘うと、

珍しくその日はぜひ行きたい店があるので問答無用で付き合ってほしいとのことだった。

そこで車を走らせること約30分。たどりついたのはぺグン湖近くのイタリアンだった。

窓越しに見える湖の眺めでいい、店内の落ち着きのある照明でいい、

今まで行っていたカジュアルなイタリアンとは少し趣が違う(=つまり、ちょっと高そうな店、の意 笑)。

 

テーブルにつくと彼は言った。

「好きなもん、何でも注文して?俺の分まで」

「P(=彼)は何にする?」

「あッ、俺なんかどっちでもいい。Nの好きなもの二つ頼んだら?」

 

別に何かの記念日でもないのに、

特に彼の好物でもないものを食べに、

しかも多少の出費を覚悟して、平日わざわざあそこまで遠出した理由について

私は特に聞いていない。

聞かなくても、伝わってくるような気がしたからだ。

それから、(なぜか)ちょっと気恥ずかしいけど

これを書いている今、いまさらながら彼に感謝したくなる。

今時そんな高級料理ともいえないパスタごときで感謝云々も恥ずかしいし、人によっては滑稽に聞こえるかも知れない。

でも本当は、

パスタのことではないのだ。

その日私が感謝の気持ちで「いただいた」のは。

「たかが」パスタ、

「されど」パスタ。

そのあいだのどこかに、彼の気持ちがあったような気がする。

 

もうずいぶん前のことだけど、

なぜか今日思い出したので書いてみた。

 

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